借入金の金利と利息とは

借入金の返済額は「元金+利息」で構成されます。
<金利>
借入金額に上乗せされる金額の割合
→例:金利3%なら1年あたり3%が利率
<利息>
借入金額に上乗せされた金額
→例:1万円を借りて1万1,000円返済なら利息は1,000円(=金利10%)
※上限金利の範囲内で金融機関が自由に設定可能。
借入金額が小さいほど金利は高く、大きくなるほど金利は低くなる傾向があります。
■ 借入金の利息の計算方法 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
<計算式>
利息 = 元金 × 利率 ÷ 365日 × 借入日数
(うるう年は366日で計算)
金利が「年〇%」と表示されていても、
実際の利息は日割り計算で算出されます。
元金に利率を掛けると1年分の利息が求められ、
それを365日で割って1日あたりの利息を計算し、
借入日数を掛けることで最終的な利息額となります。
<計算例>
- 年2.5%で2,000万円を借入し、3年後に返済する場合
2,000万円 × 0.025 ÷ 365 × 1,095日 = 150万円
- 年6.3%で300万円を借入し、5年後に返済する場合
300万円 × 0.063 ÷ 365 × 1,825日 = 94万5,000円
■ 借入金の返済方法 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
【一括返済】
借り入れた金額をまとめて一度に返済する方法。
利息を抑えられるメリットがありますが、
資金調達のために借入した場合は資金が一気になくなるため、
資金繰りが悪化すると黒字倒産のリスクがあることも
念頭に置いておきましょう。
【分割返済】
借入金を分割して返済する方法で、次の2種類があります。
(1)元金均等返済
- 元金部分を一定額で返済していく方式
- 返済当初は返済額が多いが、徐々に少なくなる
- 利息が少なく、総返済額も少ないのが特徴
<計算式>
- 元金返済額=借入金額÷返済回数
- 利息返済額=残高×月利
- 毎月返済額=元金返済額+利息返済額
(2)元利均等返済
- 毎月の返済額を一定にする方式
- 当初の返済額は抑えられるが、利息負担が多く、
総返済額は元金均等返済より多くなる
<計算式>
- 毎月返済額=(借入金額×月利×(1+月利)返済回数)
÷(1+月利)返済回数-1
- 利息返済額=残高×月利
- 元金返済額=毎月返済額-利息返済額
■ 金利や利息の注意点 ━━━━・・・・・‥‥‥………
◎適用金利がいくらか
- 金利は「2~3%」のように幅を持って表記され、
実際の適用金利は2.5%や2.8%など条件によって変わる - シミュレーションする際は、高めの金利も想定しておく
- 利息制限法の上限を超える違法業者もあるため、利用は避ける
◎返済計画は考えているか
- 借入期間が長いと、毎月の返済額は少なくなるが総返済額は増える
- キャッシュフローが不安定なら長期返済、安定しているなら繰り上げ返済が有効
- 借り換えは有利な条件に変更できることもあるが、取引関係への影響に注意
■ 利息計算にシミュレーションツールを活用する ━━━━・・・・・‥‥‥………
インターネット上には、借入金額・金利・期間を入力するだけで、
毎月の返済額や利息、残高を自動計算できるシミュレーションツールがあります。
計算の手間が省け、返済計画を立てる際に便利に活用できます。
ただし、シミュレーション結果には手数料や諸費用は含まれないため、
実際の総支払額とは異なる場合があります。
正確な返済額を知りたい場合は、必ず金融機関に直接確認しましょう。
■ 最後に ━━━━・・・・・‥‥‥………
手元のキャッシュを補充するために借入は重要ですが
資金繰りを改善するには、自社の財務状況を細かく分析し、
今後の経営に対する判断をすることが重要です。
まずは当事務所までご相談ください!